めだかボックス 5巻
4巻から引き続き、人吉善吉と宗像形のバトルで始まる5巻。
宗像のだまし討ちに遭い、背中から串刺しにされる人吉。
人吉が倒れこんだその瞬間、黒神めだかはまさかの大号泣をする。
このシーン、めだかの可愛さに一体何人が心を奪われただろうか。
勿論、自分も例外ではなかった。
普段『凛っ』としているめだかの、人目もはばからずに泣き喚く姿。
たまにめだかに対し感じていた『ギャップ萌え』に他ならないのだが、
何故こんなにも可愛らしいのだろうか。あまりにも『素』なめだかの姿は。
それはさておき、めだかの号泣の中、驚くべきことに、人吉が立ち上がる。
めだかを泣かせたことが許せない人吉と、人吉の名を呼び続けるめだか。
『男として』――退くわけにはいかない。ぼろぼろになりながらも、
めだかのため、精一杯の強がりで立ち向かう。
そして、めだかの『がんばれ!』の一言に対し『がんばる!』と返した人吉は、
最後の力を振り絞り、地を踏みしめ大きく震わせる。
何も起きない――そう思われた瞬間、人吉が天井へと蹴り返し
刺しておいた大量の宗像の刃物が、彼に向けて降ってきたのだ。
そして戦いは終わり、驚きの事実が発覚する。
信じがたいことに、宗像は一人たりとも人を殺したことなどなかったというのだ。
殺人衝動を抑え、人を殺さないために、『国際指名手配』『大量殺人犯』の
汚名を自ら被っていた――そんな、ただの寂しがりだったのだ、宗像という男は。
そしてその彼に、人吉は右手を差し出す。
『命がけで戦った俺たちはもう友達だ』と。
殺したいほど大好きな人間を、殺したくない。
そう願うだけだった宗像が、初めて寂しくなくなった瞬間であった。
まったく、善吉という男は何故こんなにも『いい奴』なのか。
あきれるほどいい奴で、そこに少し涙すら出た。
作中で『萌え』とかではない、純粋な『好意』を抱ける相手というのが、自分にとってはこの善吉という男だ。
女性キャラだけでなく、男性キャラにまでこんなに魅力的に映る。それもこの作品のいい所なのだろう。
そしてこの5巻、ついに黒神めだかの姉、黒神くじらが登場する。
記憶を自ら閉じた、やはり異常な姉だが、彼らは分かり合えるのだろうか。
次巻へと続く。